人類の行く末を見つめると

                            2020年3月15日

                           泉 満明

 人類20万年の歴史において現在に生きる我々は、漠然とした不安を多く抱えている。その中で最も大きいのは「近い内に人類は滅びてしまうのではないか」である。基本的にはこの世の中で森羅万象には始めがあり終わりがあるのが大原則である。宇宙、太陽、地球、人類もこの大原則の中にはめ込まれているのである。天文学が驚異的に進歩した今日、宇宙、太陽、地球は決して生物にとって優しい世界ではないと考えられている。今は繁栄を謳歌しているが近い将来悲惨なことが生じ、以外に小さい地球が今後人類生存の可能性がある惑星なのか、自分の子や孫が生き延びることができるか、しかし、当面の不安として人類を含む生物全体の生存を脅かす多くの危機のあることが明らかになってきているのです。それらの危機はそれぞれ性質が異なるものですが、いずれも人類の滅亡を導くものであります。人類が生存できる期間にある程度改善、回避できる可能性のある危機と、宇宙と地球自体の活動で人類では回避が不可能に近い危機と2つに分けて考えることが出来ます。

 人類の努力によりある程度危機を回避出来るもの。

 一番目の危機は、温暖化による環境破壊。

 二番番目の危機は、全人類を破滅させる核関連とバイオテロリズムの問題。

 三番目の危機は、科学技術の進歩、発展。

 四番目の危機は、宇宙と地球自体の活動による危機で人間による回避は不可能に近い 

         もの

         巨大地震、超巨大カルデラ火山の噴火、天体衝突等の自然による大                                  災害   

 一番目、人類がここまで繁栄できたことは、自然環境への対応能力が非常に高かったからである。先ず何でも食べられるという雑食性である。それを支えたのは生態系のバランスがとれており人類の食事を支えてきたからである。最近の乱開発による森林破壊、土地の砂漠化、魚介類の乱獲など生態系のバランスを乱す状況が顕在化して警戒しなければならない。人口の動向は先進国においては減少傾向にあるが、開発途上国においては急激な人口増加が始まっており最近の予測では2050年までには89憶人になるとされている。この人口増加による食料問題の解決策としてボーローグの活躍にょって「緑の革命」と言われるもので多くの人の命を救ってきたが、世界中で農業が小麦、大豆、米、トウモロコシの四つの主要な作物に過度に依存することになり、人類に食料に関する多様性を失い、主要な穀物が大規模に感染病により基本的穀物の不足による大規模な食料不足が発生する大きな弱点を持つことになったので注意しなければならないが、当面は人口の増加に一応対応出来るとされている。しかし、格差による世界的な食料、水の不平等な分配の問題もあり、この問題の解決も重要であり、未解決となれば数億人の餓死者が出ることになろう。さらに、食料貿易がきびしくなり食料自給率の低い国では悲惨な状況になろう。経済活動の増加により予想される資材、エネルギー資源などの枯渇の問題は国力の差によって、その獲得に大きな差が生じるが、いずれにしても地球中から採取している資源はいずれ非常に高価となり枯渇へと進む、先進国は太陽からのエネルギーを活用、省資材、省エネルギーの推進を進め廃材のレサイクルなど多くの手段を活用して、原資材の消費量を減らし枯渇化を引き延ばす努力すべきであります。しかし、最近の研究では食料問題とは異なり21世紀の後半になると先進国はもとより開発途上国でも長期間の人口減少となる予測もされている。このことが人類滅亡のスタートになるのか?

 

二番目、現在、地球は17世紀頃の小氷河期から温暖化への進行状態にあり、炭酸ガスが急劇に増加し始めた1946年ころから始まったものではなく、現在進行中の温暖化の大部分地球の自然変動である。人類活動により放出された炭酸ガス温室効果によるものは僅か約6分の一程度とされている。しかし、この問題が世界的に大きく政治、社会問題となっているのは、国連のICPP (国際機構変動パネル)が2007年に発表した地球温暖化の報告であった。最初から人類の活動による炭酸ガス放出が温暖化の主な原因することを政治目的にしているため、気候学という学問が歪められてしまった。その後IPCC の活動の基本となっている報告書は2流の学者、大学院生などの温暖化が進む内容のでたらめな論文を査読もなくまとめたものであったので、この報告書と実際の自然の状況が全く異なることが多く出てきて問題となった。さらにこの組織の議長はパチャウリというインド人の経済学者で組織の形をゆがめたり、関連企業から賄賂を摂っているとの疑いもあり、国連として一時この組織の解体を示唆したこともあった。現在、世界はCOP,IPCC などによるアジテーションによる誤った見解に躍らせられている。これを正すためには、温暖化の原因と想定される太陽定数、太陽風の変化、ミランコビッチ・サイクル、ハインリッヒ・イベントなどの科学的で冷静な判断とさらに次に示す各種の原因、火山、海面から排出される炭酸ガス、大規模な海流の影響、空中の粉塵によるブランケット効果などがある。これらに関する研究結果と、実際の現場における測定などを再検討し、気候変動に潜む「ティッピングポイント」への到達を未然に察知し防止できるようにすることが重要である。現在は温暖化の影響を炭酸ガスに絞って研究が進められてきているが、温暖化の効果が炭酸ガスの50倍程度とされているメタンガスにも注意を向けなければならない。その結果温暖化が地球変動のリズムが主なものであり人類の活動の影響が僅かとすれば炭酸ガスの削減、あるいは、気温の上昇を抑える方策に無駄な活動は中止すべきである。人類は過去において現在と異なる氷河期、高温期などの環境のものとでそれに対応して生き延びてきた。現在の我々は過去の時代と異なり科学技術を活用できる状態なっている。ここで、発想の転換をして平均温度が上昇による利点、欠点を整理して、人類が支障なく生活できるシステムの構築に技術力を注ぐべきではなかろうか。例えば、現在、植物にとって炭酸ガスは恐竜が跋扈していた時代と比べると不足気味と言われており炭酸ガスの増加は食料の増産に寄与する面もあります。一方で熱帯性の病気が温帯地域に広がる恐れなどがあります。温暖化が地球自体の変動である場合には人類の力で温暖化を防ぐことは出来ないのではなかろうか。過去のデータを調べて見ると、最近の気象状態の変動は地球の間氷河期における気温の一時的な揺らぎとおもわれます。正確に判断するためには長時間かかるであろうが、いずれ寒冷化し氷河期に移行してゆくことになるでしょう。しかし、いずれにしても炭酸ガスの発生を抑えることは省ネルギーと関連があり重要な事である。経済活動により発生する炭酸ガスの減少に簡単で有効な手段の一つは、世界の自動車数の削減である。自動車の製作に莫大なエネルギー量を消費して大量な炭酸ガスを放出し運転時にも炭酸ガスを排出している。電気自動車は運転中には炭酸ガスを排出していないが電気の充電時に間接的に炭酸ガスを排出するものである。現在、自動車は生活に不可欠のものであるが、人間生活を基本的に支えている色々な役割の中で、特に自家用車については小型化、軽量化とさらに台数を減らす手段として一台の車をタイム・シャ―リングにより数人で利用するようにすれば環境改善に役立つことになります。炭酸ガス以外で工業化によるローカルな環境問題については解決した経験があり一応の解決手段を人類は保有しています。 

 

 三番目、原子爆弾使用、実験、原子力発電所の事故、核廃棄物の保管などから排出された放射性物質の拡散による大気、水、地面、海の汚染による人体に対する影響は、人類の進化の過程では全くと言っていいほど経験されていないことである。遺伝子としてはほとんど対応できていないので許容値とされている微小な放射線量でも長期にわたると、放射線による遺伝子の破壊が子孫に残され重大な悪影響が顕在化する恐れがあり、人類の衰亡が想定されます。 今日にいたるまで、核兵器が実戦に使用されたのは広島と長崎の2回だけである。現在の核保有国は戦争において原子爆弾を使用するについては十分に管理しているが、テロ組織に原子爆弾が渡るとその使用をコントロールできなくなり、原子爆弾使用の戦争の発端となり、原子爆弾保有国の数百発の核爆発による大気への影響は世界全体におよぶだろう。爆発時の火球からの煙、すす、ダストは数週間にわたって太陽光をほとんど遮り、世界全体の気温は急激に下がって冬の状態になり、植物の光合成が阻害され多くの植物や動物の生命が奪われ世界的な不作になり、世界全体に飢餓がおこるだろう。最悪のシナリオは「核の冬」と呼ばれるもので、飢餓だけでなく寒さ、病気、被爆放射線によってほとんどの人類は死をむかえます。 原子力発電については、2011年3月11日、マグニチュード9の地震が東北の太平洋岸を襲った。地震に伴う津波によって、数日内に福島第一原子力発電所にある原子炉がメルトダウンし、続いて水素爆発をおこして、大量の放射性物質を空気中と水中に流出しました。チェルノブイリ原発事故の3倍の希ガス放射性元素が放出されました。この中で特にプルトニュウムは危険な元素でアルファ線を放出し毒性が強く、半減期は24,400年であります。これらの物質によって人体は内外から長期にわたって蝕まれることになります。子孫の時代を想像してほしい。空気、水、地表面、海、全ての食物、さらに母乳も放射性物質に汚染され、子宮にいるうちから放射線をあびた原因で死産が多くなり、奇形児が生まれ、多くの子供達が6歳くらいで癌と診断され、成人の多くが若くして白血病などの癌で苦しみ、人口が急劇に減少する世界。ネヴィル・シュートの「渚にて」が現実となる時代を想像してください。

 一番目から三番目は全て人類生存に不可欠で基本的なエレルギーに関連するものである。基本的に最重要な課題は人類が省エネルギー生活に転換する努力が必要で、人類の生存を脅かす原子力に依存するエネルギー世界から脱却し、新しいエネルギーシステムの世界への転換がいそがれます。 

 

 四番目、科学技術の進歩、発展が人類の滅亡を 科学技術の進歩が人類に対する影響には正の面と負の面が存在する。最近のバイオとコンピュータ技術の進歩は人類の存亡に影響を与える脅威が意識されてきている。

  バイオ技術の拡散世界の終末を予測することは、核爆弾の開発以来この手段の使用によることが基本として考えられてきた。しかし、世界の人々の交流が盛んな時代に、不衛生で医療レベルの低い中国が発生源であるコロナウイルスによる肺炎など不適切な防疫処理により急速に世界的な流行になるおそれがある。仮に中国が20世紀後半から進めてきた世界征服の手段の一つとして秘密裡に生物兵器コロナウイルスの開発を行ってきたが思わぬ手違で漏れて予想しない事態となったが、表向き自然発性としてこの機会をとらえて貴重な実験データを人類を犠牲にして収集しているのではないだろうか。パンデミックになったので全世界は中国の行動に厳重に注意し、原因を徹底的に究明し、糾弾し、損害賠償を中国に請求すべきである。 最近のバイオ技術の進歩は人類にとって核技術より深刻な影響を与えることが想定されてきた。過って、テロリスト集団により炭疽菌などによる事件が企てられたことがあつたが、最近のバイオ技術を使ってウイルスを改造する技術により途轍もない強力な殺害能力を持った生物兵器が近い将来生まれてくると予想されている。これの製造技術は簡単で、開発、製造などにも多額の費用が掛からない。ある程度の知識と設備があれば製造は可能であるとされている。特別な高度の設備がなくても小さなテロリスト集団でも高いレベルの生物兵器が出来るとかんがえられている。いつか、どこかで誰かが作ろうとする。それは防ぎようがないだろう。そのウイルスに対して現在の医療技術、薬品、ワクチン類は全く効果がなく人類の生存を脅かすことになるだろう。 

コンピュータ技術の暴走 かなり古い話であるが、1981年にイスラエルによるイラクの原子炉爆撃事件でイスラエルは事前にイラクの防空システムをサイバー攻撃により機能不全にして爆撃を行ったとされており、仰撃はほとんどなく全機無事帰還したとされている。当初イラクはどの国からの攻撃か全く不明であった。当時、敵国の防空システムを破壊して有利に戦争を進めることが可能とされていたが、この事件はこの効果を実施した最初の事例として全世界から注目された。 

 その時代から比べると想像も出来ないくらいコンピュータの技術は進歩して日常発生する仕事の効率化に大きな力を発揮している。すでに生活のあらゆる分野にコンピュータが入り込んできていることは周知の事実である。今では、大部分の機械にコンピュータが組みこまれており、コンピュータの制御によりうごいている。ライフライン、自動車にも全てコンピュータが組みこまれている。これからは、そのコンピュータにいかにしてより高度な仕事をさせるかが課題となる。自動車の場合、最近では、衝突しそうになった時、直前に自動制御に切りかえる、という仕組みができている。自動制御によって衝突を回避するわけだ。こういうことをするためには、コンピュータが意思決定をしなくてはならない。人間からいつ制御権を奪い取るかを判断しなくてはならないのだ。制御権が戻ったとしても一瞬後に衝突する時点で動作を人間にたずねてもまともな答えは返ってこないだろう。全ての意思決定は機械が人間の介入なしに自ら判断を下す「自律的」になるであろう。

 ある国家がテロリストや悪意を持った国家によつて製作されたプログラムによってサイバー攻撃され、コンピュータシステムやインターメットが単にダウンされたのではなく、乗っ取られてしまった場合にどれだけ恐ろしい結果が生じるか。原子力発電所を含む送電ライン、ライフライン、農業、食品、機械産業、金融機関のシステムすべての破壊を考えるなら、小規模なウイルスやワームでは不十分でこの場合いには 大規模な組織でプログラムを作ることになる。しかも、通常の一般的なプログレラムの中に潜み、「自律的」に作動するプログラムで、目標を与えておけば状況だどうであろうと、それに対応し、最後まで仕事をやりとげるプログラムである。システムを乗っ取る段階から仕事を終えるまで、従来の意味ではだれの指示も操作も必要としない。このプログラムの発見、除去、新しいコンピュータシステムの構築には長時間を必要とし、狙われた国家は大混乱となり、国そのものの存亡にかかわることになる。実際には発信源は不明であったが、上記と類似のサイバー攻撃がイランのウランの濃縮システムに行われ重大な支障が発生し、核開発が大きく停滞したとされている。 

 このようなプログラムがテロ組織によって原子爆弾の管理システムに関わることになると全人類滅亡の原子爆弾による第3次世界大戦の口火を切ることになるかもしれない。とにかく大切な事はコンピュータウイルスの問題を深刻に受け止めることであり、ウイルスの脅威は決してなくならないことに留意すべきである。さらに最近、開発が進められている建物を破壊せず瞬時に電子機器を破壊する電磁パルス(EMP)爆弾にたいしては、防御対策と同時にアナログ・システムの整備も並行して用意しておくべきであろう。

 五番目、過去に地球は巨大地震、巨大カルデラ火山の噴火、氷河期、地磁気変動,太陽の巨大フレア、天体衝突など数回の大災害で生物に大きな被害を与えてきました。この現象は宇宙の問題と地球自体のマグマ、プレートの動きに支配されている問題で地球上に生活している人類には処理できません。科学的調査により人類を含む生物全てを絶滅させかけた超巨大カルデラ火山噴火の存在も知られています。全体的に言えばこれらの災害で90%以上の生物が絶滅したといわれ、地球は決して生物にとって住みやすい優しい惑星ではないことが明らかになってきました。

 巨大地震

 1755年ポルトガルの大都市リスボンを壊滅させた巨大地震がある。規模はマグニチュード8クラスと想定される。この地震は西ヨーロッパの広い範囲で強いゆれがありり、北アフリカのモロッコでも強い揺れがあった。建物の被害、火災、津波等で多くの人が死亡した。この震災は有能な人物によって的確に処理されて、ポルトガルの衰亡を防ぐことができたとされている。国家が災害を全面的に処理した最初の事例となり、近隣諸国からの援助もあった。ヨーロッパ諸国の災害復興の模範例となったものであった。地震災害は地球全体で見ればローカル的な災害であるが。日本列島のように地震体に存在する国にとっては国家の存亡を左右するものであろう。従って、構造物の耐震性の強化、津波対策として堤防の強化、さらに原子力関連施設の耐震対策が重要である。対策を怠れば国土が放射能汚染され、居住不可能となり、日本の衰亡は避けられないことになります。

巨大カルデラ火山の噴火

 今から7万4千年まえ、インドネシヤ・スマトラ島北西部にあったトバ・カルデラ火山が超巨大噴火をおこした。この噴火により地球の平均気温が5C下がり氷河期をもたらし、当時の地球の総人口は推定で約100万人とされていたが、数百人程度まで減少しました。このように人類は火山の噴火等により絶滅寸前の状態に追い詰められた過去があります。

 西暦535年は、熱帯地方の超巨大噴火による火山灰が世界中を数年間の「火山の冬」と言われる寒冷化をもたらしました。人類歴史の2000年間の最悪の気候であったといわれています。日本の歴史では飛鳥時代にあたり、「日本書紀」によれば当時即位した宣化天皇の詔では「食は天下の本である。黄金が万貫あっても飢えを癒すことは出来ない。真珠が千箱あつても冷えるのも救えない」とあります。西暦536年から大規模な飢饉や気候の寒冷化が起きたことをこの詔は物語っています。種籾まで食い尽くして大多数の人間が餓死、凍死、病死、子殺し、雑草、樹皮、人肉などを食したことが想像できます。

 世界において西暦535年に地球規模の大異変が起ったことは、歴史のミステリーとして世界各地の古文書、年代記、伝承に記録されました。異常寒波、自然災害、飢饉、疫病が発生し、その結果、大多数の人間が死亡し、政変や文明の崩壊が起きたことが明らかになってきています。巨大カルデラ火山の噴火による被害は地震、風水害などより広範囲に及び被害は甚大で復興が困難なことにないます。

 現在世界においては、東京都の2倍の広さを有するアメリカのイエローンストン超巨大カルデラ火山噴火の前兆らしきものが英紙に発表されており、火山の専門家が調査しているようである。この火山は60~70万年程度の周期で巨大噴火を起こしており前回の噴火からすでに60万年経過しています。しばしば火山地震が起きているので自然災害に敏感な野生動物はイエローンストン公園から逃げ出しているようである。仮に、イエローンストン火山が噴火した場合、溶岩流や火砕流などで半径1000㎞の範囲に住む 87,000人が火山ガスで直ちに窒息死し、全米の3分の2国土が居住不可能になってしまいます。さらに被害はアメリカ国内にとどまらず、3~4日以内に偏西風に乗って火山灰や硫黄がヨーロッパ大陸、さらにアジア大陸に届き、日光の遮断により地球の平均気温は約10C下がる「火山の冬」が最大10年間続くといわれています。イエローンストン規模になれば全地球が氷河期になることもあろう。さらに火砕流、火山灰などの影響で原子力発電所が機能不全となりメルトダウンの可能性があるのでこの影響の重大性にも注意を払わらなければならない。放出された硫黄による酸性雨が降り注ぎ世界中の農業、畜産業に大打撃を与えることになり、大規模な食料、水不足に繋がり電気エネルギー消失、ライフラインの機能が破壊され、全世界で50億人が死亡すると推定されています。しかし、放射性物質で汚染された環境の中では長期にわたりさらに死亡する人々が増加すること考えられます。1万年にわたって築いてきた人類の文明は地球の暴力の前になんの抵抗する術もなく一気に滅亡に向かって行くことにもなります。

 日本の九州には巨大なカルデラ火山、阿蘇姶良、鬼界などがあり、約1万年~7千年の間隔で噴火を繰り返している。この火山の噴火で偏西風により日本は沖縄、北海道を除く列島全域で被害を受け、特に九州は全滅することになる。7300年前の鬼界カルデラ火山噴火によって当時栄えていた縄文文化は全滅し新たな文化が再生するのに約500年かかった。この噴火から約7000年が経過しているので噴火が近ずいているのではないかと火山学者は調査を続けています。噴火が発生すると1億人が死亡すると推定されています。イエロ-ンストンの場合と同じように原子力発電所及び関連の施設の破壊のより放射性物質による環境汚染も加わり火山噴火の影響による被害は複雑で悲惨なものとなると想定されます。 火山学者によると巨大カルデラ火山の噴火は稀に起こる現象であるので、ポアソン分布を用いた統計解析によ噴火は100年間で1.0~0.3%となる。この確率は阪神淡路大震災とほぼ同じ確率とされており、人類を含めた生物生存に影響を及ぼす地球規模の超巨大カルデラ火山の噴火が今日、明日に発生しても不思議ではないとされています。

天体衝突、その他

 地質調査などにより明らかになった地球上の生物滅亡に影響を与えた天体衝突の一つはチクシュルーブ・クレーターで約6550万年前のメキシコのユカタン半島にある直径10~15㎞の衝突体の落下跡。落下速度は秒速20kmで、衝突ネルギーは広島原子爆弾の10億個分。恐竜絶滅の原因とされている。災害の程度は衝突地点の温度は約1万℃、周囲は火の海と化した。マグニチュドは11以上、高さ300mの津波、舞い上がった塵が太陽光を遮断、世界全体が高温状態になるが、時間がたつにつれて全地球規模で気温が低下。寒冷化「天体衝突の冬」は約10年続いたとされている。蒸発された岩石の中の硫黄が、雨と共に地上に酸性雨として降り注いだ。従って、植物は光合成が出来ず枯れ、食物連鎖が崩壊し多くの生物が絶滅した。このような大災害を伴う天体衝突は、太陽系の初期にはしばしば起こっていた。

 現在では、全地球的大災害の起こりうる天体衝突は1万年~10万年に1回の確率で発生するとされている。この天体衝突を避ける手段としては衝突が予想される隕石を発見した場合には原子爆弾を装備したロケットで隕石を破壊あるいは軌道を変更することを考えているが、大型で超高速の隕石に対して有効なのか疑問である。

 最近問題となってきているのは、ガンマ線バーストでありこれによる地球のオゾン層破壊による生物の絶滅が過去に起こったことが研究されている。

 

 最後の問題点

 現在、地球上に溢れている人類は一体なにものなのか。猿から400万年かけてホモ・サピエンスとして進化してきた単なる哺乳類の一種に過ぎない。1万年位前から食事の逼迫から救われて、暇が出来たので考える時間が取れるようになってきたので、人類の存在理由を自画自賛するために宗教、哲学などを生み出しこじつけてきたし、人間の命は非常に大切なものであるとされてきました。しかし、人類の歴史が始まって以来、幾多の大戦争、革命、ジェノサイド、テロ組織などで大量の人間殺戮を行ってきているし、日常的にも直接、間接的に殺人が行われている。それぞれ殺戮の目的は異なるが、人間の本質は人間を含めた生物を殺す好ましくないものである。現在、世界は一見平和と思われているが平和は次の大量虐殺の戦争への準備期間と考えることができよう。しかし、そのような人類が地球の表面にへばりついて築いてきた文明は人類が安全で豊かな生活が送れることを終局の目的としているようであるが、20世紀後半から政治はポピュリズムの影響により力を低下、一方で 貪欲な経済システムは巨大な経済力で自己の利益を高めるために政治に影響を及ぼし、歪める方向にすすめている。従って、本来の目的から外れて人間の生活レベルに極端な格差の貧困が多数発生している。さらに、社会の安定を支える中産階級の減少も懸念されている。現在は辛うじて安定を保っているが、仮に社会安定の「ティッピングポイント」があるとすればそれを超えると、やがて各システムの機能は崩壊し修復できない状態になり一気に人類文明の破綻につながるのではないか。現在の政治、経済に影響を与える巨大な権力や利潤を得ている人間たち(トランプ、プーチン習近平など)には無能でサイコ・パスな性格を持っている人物が多く自分の利益、保身のみに走り、生じる結果には無関心である。そのような事によって、現在一応機能しているように見える政治、経済システムは、人類を自滅の道に導くように動いているようではないだろうか。

 むすび

 人類進化の歴史でたまたま存在し現在地球を支配しているホモ・サピエンスは進化の大原則の中で、適応したものが生き伸びる「適者生存」ではなく、幸運なものが生き延びる「運者生存」に縛られた存在でしかなかったのであろう。すでに述べたように大きな災害を経てたまたま訪れた現在を含む約1万年の温和な間氷河期の地球環境は私達生物にとって「偶然に平穏に生かされている」と言っても過言ではないとおもわれます。この比較的静穏な期間に人類は近代文明を作り上げてきたのです。火山学者達によると、我々現代人は「時限爆弾」を抱えて生活しているともいえます。どんなに努力をしても、「地球上で生活している人間は絶対に自然には勝てないのである。」取敢えず現在において人間のできることは、予想される災害の内容をあらかじめ研究して人間に降りかかる災害を減災とすることにとどまります。しかし、火山は人類の滅亡に関わり合うこともあるが、一方で恩恵をもたらす面もあります。人類は生存する限り火山を含めそれ以外の災害にも如何に付き合って行くか模索を続けるべきであります。しかし、現代人は一度も経験したこともない予想を超える大災害なので何を為すべきなのか、それについての具体的な対応に関する議論が何もなされていないのが現状であります。

 残り少ない地球の資源を簒奪しながら人類は見かけでは豊かなエネルギー、食料、水を濫費し快楽な生活を送っているが、すでに記述したように現在この惑星の人類は困難な状況に置かれており終焉と向きあっていろのですが、多くの人は気がついていません。特に若い世代は見聞が狭く気楽にすごしており、自分たちの世代が地球資源の枯渇、環境問題、原子力時代、予想される大災害発生等から何を受け継ぐのか理解していないようです。

 最後に20~21世紀の発展した天文学を始めとして科学の進歩により「宇宙を含めて森羅万象全ての物事には始めと終わりがある。」という鉄則が科学的に存在していることが明らかになった。このことにより宇宙における人類、文明の存在理由、価値、意味がある物でものであろうかろうか?」

 高名な天文学者カール・セーガンは宇宙に他にも知的生命が存在するかと問われて「思わない。どんな種であっても僕らのような進化の段階に到達したら自滅するだろうから」

 すでに、世界終末時計(DOOMSDAYCLOCK)は公式に23時58分20秒を指しており、人類終末まで1分40秒しか残っていないとしているが、実際にはもっと短いのではないだろうか。

 人類をホモ・デウスと自惚れ、世界を無知で思慮の浅く、サイコパス的人物達(トランプ、プーチン、習等)が巨大な権力で跋扈しており人間の欲望に狂奔して腐敗した資本主義に蠢いている爛熟した人類文明が宇宙的に如何なる価値のあるものであろうか、近い未来にすでに述べた大災害、あるいは大災害の組み合わせで人類文明が崩壊し消滅して、辛うじて記録を化石として地球上に残すだけとなるであろう。地球の歴史とすればほんの一時期に存在した生物の終末ということであり、次に地球上に存在するものはなにか?

   地球は太陽系第3惑星として太陽系が崩壊するまで存在し続けることであろう。

  参考文献

1.石 弘之   著 地球環境の事件簿   岩波科学ライブラリー170

2.赤祖父 俊一 著 正しく知る地球温暖化 誠文堂新光社

3.ヘレン・カルディコット監修 終わりなき危機 ブックマン社

4.ジャレド・ダイアモンド 著 危機と人類(下)日本経済新聞出版社

5・巽 好幸 著 富士山大噴火と阿蘇山大爆発 幻冬舎新書

6.フレッド・グテル 著 人類が絶滅する6のシナリオ 河出書房新社