北方領土の返還について

                      2020年3月25日  泉 満明

 北方領土返還の交渉は50年を超えているのではなかろうか。この間に日本はプーチンを招待して歓迎をしたり、国民の血税による多くの経済協力を行ってきたが何らの交渉進展がない。プーチンにしてみれば北方領土返還という人参をぶら下げておけばリップサービスで日本はロシヤの言うことを何でも聞いてくれると高をくくっているようでである。最近ロシヤの憲法改正が決定されそれに伴いに伴い自国の領土割譲は禁止の条文が決定された。このようにロシヤは全く返還の意志がないとみられる。これに関して暴力的な国家元首プーチンと習が手を組んで世界を牛耳る方向に協力して進むようである。日本としては全く手詰まりの状態であろう。先ず第一に考えることは、この問題の中心いるプーチンの人物に検討を加えるべきである。柔道の達人で親日的な皮を被った彼の人物像は殺人者であり、彼はナチスを上回る大虐殺を行ったスターリンの流れを踏襲しており、表には出ていないが、多くの政敵を処理したり、亡命者を暗殺している。いわゆる自己の利益のみに関心のあるサイコパスの人物である。それにロシヤは帝政時代からの方針で現在まで不凍港を目標に南進侵略と領土増加を進めてきている。以上のことは日本政府も認識していることであろうが、交渉の進展をするためには外交交渉の姿勢を変更すべきであろう。イギリス政府は前からロシヤを粗暴な国として外交的には専用の組織を設け特別慎重に対処しているようである。長年にわたって横暴なロシヤと国境を接して苦しめられてきたフィンランド、ノールウェーの外交手段、国内体制を参考にすべきであろう。

 プーチンに戻るがロシヤの憲法改正はあくまでプーチン自身の保身を基本に置いたもので大統領を退いた後の自分の処遇への恐怖が基本にある。

 4か月ほど前に北方領土を訪問した議員が領土問題の解決は戦争よらなければならないと言ったことが大問題となったが歴史的に見れば正しいことである。政府が慌ててロシヤ大使に大変失礼な発言として平謝り、「気にしていません」の返事に安心したとのこと。このような姿勢ではロシヤに舐められるばかりであろう。この場合、国内にはこのような意見もありますと説明すべきではなかったのか。

 国民の血税による経済援助は意味のない物であることは明瞭であるから何等か別の手段にうつるべきである。例えば、ロシヤが不当に北方領土を勝手に占拠している事が不当なものであることを世界に広め日本の正当性を世界に知らしめること。さらに、終戦時に日本軍の捕虜のシベリヤ抑留し強制労働により数万人の死亡者がでた。終戦の5日後引き上げ船をソビエトの潜水艦が攻撃して多数の日本人が死亡した問題などこれらは明らかに国際法違反である。日本は数千億円の賠償を要求すべきである。ロシヤがこの問題は解決済というならば、未解決として再調査を要求すべきである。その他 遺骨収集問題、漁船の不当拿捕、領空侵犯などロシヤと解決すべき多くの問題がのこっている。

 日本がロシヤ、中国、北朝鮮に舐められいる理由は日本の外交手段の劣悪もあろう。しかし、外交力は国の経済力以外に防衛、攻撃力の高さを背景に存在するものであろうが、日本は原子爆弾保有していないので攻撃力が低いことが認識されているからであろう。このことは日本の高官がアメリカの高官に「原爆を日本が保有していたとするならばアメリカは原爆で日本を攻撃したか」と質問したら「その場合には攻撃しなかった」といった。このことは何を意味するのか考える必要がある。ロシヤ駐在の日本大使館員を働かせ血税の外交用、官房長官用の機密費を活用してロシヤ議会のロビー活動を活発にすべきである。実効性のない外交交渉は取りやめるべきで, 強力な手段に交渉姿勢を転換するタイミングに来たのではないだろうか。日本が仮に抑止力として原子爆弾保有することになれば国際的に大きな問題となるが、保有しなくても同盟国アメリカの原子爆弾のスイッチを操作できるシステムを構築する手段も案を考えるべきではなかろうか。それらに対するる覚悟をもって実行すべき段階に世界情勢は動いてきている。イスラエルのように原子爆弾保有をあいまいにしておくのも一つの手段であろう。過って、インド、パキスタン原子爆弾保有したときに世界から非難されたがいつの間にか問題にされなくなった。日本の場合にはかなり深刻なことになるだろうが時間の経過と共に問題にならなくなる。しかし、国内の問題として原爆に対して過敏な日本人に対する処理には長時間が必要となろう。日本はアメリカの核防衛の傘の下にあるとされているが、緊急時にこのことが本当に機能するかは不明である。従って、世界情勢の変化に伴って我が国は抑止力として原爆を保有、あるいは同等な効果のある手段をもつべきである。

 結論として平和条約などは論外で国交断絶も視野に入れて検討すべきである。このことは日本にとって経済的なマイナス面は少ないであろう。日本はあらゆる手段を尽くして外交力を強化して北方領土返還については永久に強力にロシヤと交渉を続けるべきで決して中止や断念すべきではない。